SHAKE IT UP #3

このルートについて尋ねた際に、カフェ・ドゥ・シクリステのメンバーは「思うように行かないルートだから気をつけた方がいい。場所によってはロードというより壁と言ってもいいかもしれない」と答えました。ニース周辺のグラベルルートに関する意見をいつも求めており、現地の人々と話して新しいアイディアを得ることに慣れています。しかし、今回は前向きな意見は少ない気がします。

ポートを出発してモン・ボロンを登るロードを走り、全ては平穏に感じられました。海の色合いを反映した青空、後ろを見ると雲が広がり、天候の変化を予告しています。

約15分後、ヴィルフランシュ峠の頂上に辿り着きます。山側のグラベルロードに出るためには、限られた人のみが知る家々の間を走る狭い道を行くほかありません。頭ではルートを完全に把握しているのに関わらず、家々に隠れたカーブに驚くことが多くあります。数分後にはニースの高地を走り、松の木に守られた日陰の道を進みます。Vinaigrier公園のオリーブの林を走るのは素晴らしい体験で、海岸レベルからすでに300メートルもの高地に登りました。Quatre Chemins峠に到着し、Trinitéへ向かって頂上を走り、厳しいライドのスタート地点へ。

エズ峠へと続く狭い道を制限しているバリア周辺を歩き回ることが勧められています。サイクリスト向けではないことが大分わかってきました。ロードはターマックで雨の日には大量の水が急勾配を流れ落ちます。私のグラベルバイクはこのようなロードに最適ではありますが、数百メートル進むとドラマチックな展開が待っていました。クライムもしくはヒルとは呼べないでしょう、もはや壁としか思えません。ペダルを漕ぎ続けているのに進まず、一度足を地面に下そうものなら二度とシューズをクリップすることはできないでしょう。止まることは許されません。

ロードサイドには数件の家があり、彼らが毎日どのようにして帰宅しているのか不思議でなりません。車がこの急勾配を登れるとは思えず、登れたとしても高度の技術とコントロールが必要でしょう。私はとにかくパワーが足らず、ペダルを踏むのと同じくらいの力でバイクを引っ張っているのに関わらず、バイクはジグザグに動き後退します。14キロの地点で勾配はマックスに達し、バイクの限界ではなく物理的な限界、37%の傾斜を登ります。出来る限り姿勢を低くし、タイヤが浮かないように必死です。

ルートの終わりは喜びに満ち溢れ、ようやく牧草地や緑の木々、木の影にある古い石の壁のある素晴らしい風景を楽しむことができます。エズ峠に到達し、ハイカーやサイクリスト達がよく知るルートを使ってニースへと降下します。ロードはニースの北渓谷の上にあり、メルカントゥールの山々が広がる景色を堪能することができます。

カフェに戻ると曇り空が広がっています。私といえば、約1時間ほど前にバイクに乗って出発するのを見ていたバーのスタッフにどうにか笑顔を見せるので精一杯でした。ルートに関する忠告が耳にエコーし、脚には確実に残っています。

より遠くへ

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